経験から育まれていくもの~「なんで?」が次の遊びを生み出したストック組の毎日~(1歳児クラス)

1歳児クラスの子どもたちは、日々の遊びの中で「触ってみたい」「やってみたい」という気持ちをたっぷり膨らませながら過ごしてきました。
水や土、泥などの感触遊びが大好きな子どもたちですが、夏の暑さで戸外に出ることが難しくなった頃、室内でも楽しめる遊びを模索する中で、クラスでは
『子どもたちが感触以外の何に面白さを感じているのか』
という点に目を向けるようになりました。

そんな中から始まったのが、泡遊びです。
初めて見る泡に、そっと触れてみたり、においを確かめたり
手の中で消えていく様子を不思議そうに見つめたりと、反応は一人ひとりさまざまでした。



回数を重ねるごとに泡遊びは広がり、スプーンやカップを使ってすくったり、食べ物に見立てたり、友だちとのやり取りも生まれていきました。




泡に色を付けると、今度は色の変化や混ざり合う様子に興味が移っていきます。
泡が消えていく様子、紙に染み込んでいく様子にじっと見入ったり、
「ふーっ」と息を吹きかけて形が変わることに気づいたりと、子どもたちは自分なりに試しながら遊びを深めていきました。



この「吹く」という経験は、絵の具遊びやシャボン玉遊びへとつながっていきました。



最初はうまくできなくても、繰り返すうちに少しずつコツをつかみ、
「できた!」という嬉しさや達成感を味わいながら、自分で調整する力も育っていきました。
遊びの中で身につけた「吹く力」は、子どもたちの自信にもつながっているように感じます。




やがて興味は「風」へ。
走ると風が起きること、風で物が動くことを、体全体で感じながら遊ぶ姿が見られるようになりました。
落ち葉遊びや凧揚げ、パラバルーンなど、風を感じる遊びの中で、友だちと一緒に楽しむ姿や、自分なりの工夫をする姿も増えていきました。






そして秋の終わりには、光への興味へとつながっていきました。
光が反射して映る様子を見て
「きれい!」
と感じたり、
「これを当てたらどうなる?」
と自分の服や玩具を使って確かめたりする姿から、
これまでの経験がしっかり力になっていることが伝わってきます。

こうして振り返ると、遊びは毎回新しく生まれているようで、実はすべてがつながっています。
一つの経験が「もっとやってみたい」という気持ちを生み、次の遊びへと広がっていきました。







子どもたちは、遊びを通して
「感じること」
「考えること」
「試してみること」
を、毎日自然に積み重ねています。

これからも、すぐに答えを教えるのではなく、
子どもたち一人ひとりの「なんでだろう?」「やってみたい」を大切に、
経験が育ちにつながる時間を、丁寧に重ねていきたいと思っています。