「子どもたちの"楽しい""面白い"を見守る中で」(2歳児クラス)

進級してすぐの頃から、色水あそびが大好きな2歳児さん。
「ふくろちょーだい」
と、ビニール袋をもらい、中に花を入れ、揉んで色が出るのを楽しんでいました。

青くなった水を見て
「うみ、うみ」
保育士が
「(色水の中の葉っぱ指して)これはなーに?」
と聞くと、
「おさかな」
と、想像力を広げている姿も見られるようになりました。




そんな中、自分のおうちから種を持ってくれる子がいました。
子どもたちの色水作りを、花や葉っぱだけでなく、"実"でも出来るように保育士で話し合い、「つるむらさき」の種も一緒に蒔くことにしました。




ある日のお散歩の途中、桑の実や桜の実などの木の実を"いちご"や"ぶどう"に見立てて拾い集める姿がありました。
拾った木の実を使ってジュースを作る子、拾って満足する子、おままごとに使う子と様々でした。
中には
「あつめてどうするの?」
と聞くと、
「おりょうりするから、ほいくえんにもっていくー」
と言う子もいました。



保育園へ持って帰ると、小麦粉粘土の中に木の実を入れたり、上に乗せてみたり。
それぞれの想像で遊ぶ姿がありました。

もっと実が欲しい!
と言う声があったので、お部屋で散歩バックを作り、それを持って木の実拾いに行くことにしました。

幼児クラスのお友だちから、やまももの実が落ちていることを教わり早速拾いに行く2歳児さん。
幼児さんに混ざって一緒にやまももの実を拾い始めましたが、
幼児クラスさんはやまももの実をビニール袋に入れて色水を作っていました。
その姿をじーっと見ていたお友だちが、真似をして色水作りを始めました。

夏のある日。
おままごとコーナーでエプロンとバンダナを着けて
「いらっしゃいませー。かきごおりやさんです!」
と、ごっこ遊びをはじめました。

それを聞いた保育士は、水を凍らせてみることを提案。
水に絵の具を入れ、色を付けて凍らせてみました。
何日か、色水を凍らせたり、麦茶を凍らせたり、木の実を凍らせたり、泡を凍らせたり。
それぞれの"凍らせたいモノ"で遊びました。
出来上がった氷で、おままごとをしたり、
一度凍った木の実が解けると、柔らかくなっていることにも気づいているお友だちもいました。

その後も、散歩先でつゆ草を見つけると、
それで色水を作って凍らせたり、
朝顔の色水で凍らせたり。
子どもたち一人ひとりの色水あそびを楽しんでました。






<考察>
自然物に興味を持ち、一度「楽しい!」「面白い!」と感じたことは時間が経っても何度も繰り返して遊び姿が見られ、
楽しかったという経験が子どもたちの中にしっかりと根付いているということが分かりました。
そのため、子どもが夢中になって何度でも楽しめるような環境や活動の展開が保育者には求められます。
子どもたちの"今"だけを見つめるのではなく、"この活動を経てどのなっていってほしいのか?""興味の方向がどうなっていくのか"を常に保育者が見通していることが重要になると思いますが、保育者の思いが大きくなりすぎると、"保育者主導"になってしまうので、子どもの中心に据えながら、担任間で子どもの姿を共有していき、日々の活動を豊かにしていきたいと思います。